この記事では一時抹消登録について紹介します。
一時抹消登録とは、今お使いのお車の登録を一時的に抹消することです。具体的には車検証とナンバープレートを返却し、公道を走れない状態にする手続きです。
お車を複数台所有されていて、使用頻度が少ないため車検が切れたタイミングで行ったり、個人売買で名義変更せずに自身の登録を先に抹消しておく場合などに行うことが多いです。
普通車の場合は「一時抹消登録」という手続きとなり、軽自動車の場合は「自動車検査証返納届（一時使用中止）」という手続きになります。必要書類が少し異なりますが、ほぼ同じ手続きという認識で問題ありません。
一時抹消登録のメリット
一時抹消登録には、税金の還付や任意保険の保険料の支払いを止めるといったメリットがあります。
自動車税
自動車税は、毎年4月1日時点で所有する車に対して課せられる税金です。普通車の場合、一時抹消を行った翌月から翌年の3月までの期間分を還付金として受け取ることができます。ただし、軽自動車には還付金がありませんので注意が必要です。
重量税
重量税は一時抹消登録の場合には還付されません。
自賠責保険
自賠責保険料は、加入している保険会社へ解約の申請をすることで月割りで返金されます。この手続きは自動車税のように案内がないため、自身で保険会社へ連絡する必要があります。
任意保険
保険会社によって手続き方法が異なりますが、等級を維持したまま一時的に任意保険をストップさせることが可能です。
売却時の手続き
また、車を売却する場合、買取店に売却する場合は買取店で名義変更や一時抹消登録などの手続きを行ってもらえます。しかし、個人売買等で車を譲る場合は、一時抹消登録を済ませ、譲渡証明証を相手に渡すことで売買後のトラブルを未然に防ぐことができます。
（車検が無くなりますので購入者は新たに車検を受ける必要があります）
必要書類
一時抹消登録を行う際に必要な書類と手続きの流れについて説明します。
普通車の場合
車検証
所有者の印鑑証明書（所有者が手続きを行わない場合は委任状も必要です）
ナンバープレート
手数料印紙代：350円
軽自動車の場合
車検証
ナンバープレート
手数料：350円
申請依頼書（所有者が手続きを行わない場合。所有権がついている場合は注意が必要です）
手続きの流れ
普通車の場合は運輸支局窓口、軽自動車は軽自動車検査協会の窓口で手続きを行います。上記以外に記入する書類や手数料の支払い、ナンバープレートの返却のために隣接地へ移動する必要がありますが、書類が揃っていれば当日に完結できる手続きです。
一時抹消登録した車を再登録する場合
一時抹消登録を行った車を再登録する場合は、普通車の場合は中古新規登録、軽自動車の場合は新規検査を行います。
再登録は自分で行う場合、車を車検場へ持ち込み、検査を受けて合格する必要があります。
必要な書類と費用
普通車
車庫証明書：事前に管轄の警察署で取得します。
印鑑証明書：新所有者のもの（3ヶ月以内）
登録識別情報等通知書：一時抹消登録時にもらう書類
自動車税（月割）
重量税
自賠責保険
ナンバープレート代
軽自動車
住民票：新所有者のもの（3ヶ月以内）
自動車検査証返納証明書：抹消の届出時にもらう書類
重量税
自賠責保険
ナンバープレート代
ケースにより必要書類が変わることがありますが、主に上記の書類が必要です。
まとめ
一時抹消登録は、車の登録を一時的に抹消することで、税金の還付や保険料の停止といったメリットがあります。以下に一時抹消登録と再登録のポイントを簡潔にまとめます。
一時抹消登録のメリット
自動車税：普通車は還付金あり、軽自動車は還付金なし。
重量税：還付なし。
自賠責保険：解約申請で月割り返金。
任意保険：等級を維持して一時停止可能。
売却時の手続き
買取店：名義変更や一時抹消登録を代行。
個人売買：一時抹消登録と譲渡証明証でトラブル防止。（購入者は新たに車検が必要）
必要書類と手続きの流れ
普通車
車検証、印鑑証明書（委任状が必要な場合あり）、ナンバープレート、手数料印紙代350円。
手続き場所：運輸支局窓口。
軽自動車
車検証、ナンバープレート、手数料350円、申請依頼書（必要な場合）。
手続き場所：軽自動車検査協会の窓口。
再登録の際の必要書類
普通車
車庫証明書、印鑑証明書、登録識別情報等通知書、自動車税、重量税、自賠責保険、ナンバープレート代。
軽自動車
住民票、自動車検査証返納証明書、重量税、自賠責保険、ナンバープレート代。
一時抹消登録は、車の使用を一時的に停止し、税金や保険料の負担を軽減するための有効な手続きです。特に、複数台の車を所有している方や、車を売却する際に名義変更のトラブルを避けたい場合に役立ちます。
また、再登録する際の手続きも、必要書類を事前に揃えておけばスムーズに進めることができます。普通車と軽自動車で若干手続きが異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
一時抹消登録や再登録に関する詳しい手続きについてのご相談は、ぜひ行政書士平山事務所までお問い合わせください。
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